皆さま、おはようございます。保育園、幼稚園写真のふぉとすてっぷ、代表の嶋です。
今日は4月28日(水)の神奈川新聞の記事から。世界保健機関(WHO)事務局長補を務めた感染症対策の専門家、ケイジ・フクダ氏(香港大公共衛生学院院長)が共同通信の電話インタビューに応じた内容です。
香港は、2003年に299人が死亡した重症急性呼吸器症候群(SARS)の教訓が生き、ウィルスの抑え込みに成功しつつあるという認識を示しています。その理由として、SARSの経験に学んだ市民らが、当初から他人との距離を保つ「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」を維持した。香港政府もSARSでの被害を受け、病院の陰圧室を増やすなどし、感染症患者を収容する能力を増強したり、ウィルス感染の有無を調べるPCR検査の能力を強化したりしてきたと言います。PCR検査数は3月末段階で100万人当たり約1万2千人に上り、「人口当たりの検査数は世界でトップレベル」とのことです。
では、そのフクダ氏が日本の現状をどう捉えているかですが「東京だけでなく、国全体が危機にある」と。日本は緊急事態宣言を出したものの「まだ多くのレストランや商店が営業しており、不十分だ」と警告。「規律をよく守る国民という日本の伝統的な強さに政府は頼っているように思う」と日本政府の対応に疑問を呈しています。
日本の医療現場については「非常にもろく、直ちにあらゆる手段を講じて能力を高めなければならない」と危機感を示しました。その上で「国内で何が起きているのか現実を知るため、できる限りウィルス検査(PCR検査)を実施することが極めて重要だ」と強調しました。
海外からは日本の状況が危機的に見えるのに、なぜ日本政府の危機意識が緩いのでしょう。現状の対策だけで「何とかなる」と思うのか、収束後の経済対策のことを見通す余裕があるようですが、医療の現場は大混乱で崩壊寸前。すでに経営破綻した中小企業が100社に達しています。今の困難とまっすぐ向き合ってくれないと、医療従事者の身を削る努力にもかかわらず、コロナ感染者が放置される事態が迫っていますし、大きな蓄えのない庶民や中小企業は生きていけません。
このような緊急事態ですから、昨日の祝日も国会が開かれました。日頃、平日の国会中継をテレビで見るのは難しいのですが、昨日は午前中の衆議院予算委員会をじっくり見ることができました。国民民主党の玉木雄一郎氏、日本共産党の志位和夫氏、日本維新の会の足立康史氏が質問していました。全体の印象として、この難局に与野党協力して立ち向かおうという姿勢が感じられたのですが、とても残念だったのは、補正予算の不足を指摘して改善を求めても、首相や担当大臣は用意された答弁を繰り返し、ゼロ回答が続いたことです。
今の政府を信頼できない人が多数になっている状況で、実効性のある一刻も早い対策が求められているのですから、今までのような「野党はとやかく言うな」「ご意見として承ります」みたいな姿勢は通用しないのではないでしょうか。
以前、このブログでも紹介しましたが、元経済産業省の官僚、古賀茂明氏が提唱したように、与野党から選りすぐりの精鋭を数人ずつ集め、そこに関係省庁の有能な中堅若手官僚20人程度を加えて緊急対策チームを作る。数日間缶詰めになって、支援策を法律案と予算案を含めて立案し、直ちに国会に提出する。同時に、現場では支援策実施の準備に入る。というようなことが実現したら、とても頼もしいし、国民が一丸となって頑張れると思うのですが。