シン・社長ブログ

保育園、幼稚園の写真撮影・写真販売で大切なこと

ふぉとすてっぷの事務所は、電話の声やキーボードを叩く音が常に響いていて、毎日とても賑やかです。一方で、写真のレタッチ処理を行っているスタッフは、PCモニターに向かって黙々と作業をしています。

今回は、私たちはどのような仕事をしているのか、スタッフが自分の仕事の有り様を考えられるように、そしてお客さまにふぉとすてっぷが大切にしていることが伝わるように、写真撮影・販売事業に焦点を当てて、整理してみようと思います。

写真販売事業の仕組み

私たちが行っている「スクールフォト事業」は、【保育園・幼稚園】などの団体、その団体に所属する【保護者】、そして【ふぉとすてっぷ】という三者の関係で成り立っています。

ふぉとすてっぷのサービスを導入していただくのは【保育園・幼稚園】ですが、商品の写真を購入していただくのは【保護者】ですから、一般的な写真撮影サービスとは仕組みが異なります。

保育園・幼稚園と保護者とふぉとすてっぷの関係図01

例えば、七五三などの記念撮影をプロカメラマンに依頼する場合、撮影日や撮影内容を決めて、相応の撮影料や交通費等を支払って写真を撮ってもらい、撮影した写真をデータやプリント、アルバム等で受け取ることになります。

また、保育園、幼稚園に教材を提供している業者さんの場合、絵本や遊具などの価格は当然決まっていて、保育園・幼稚園は、年間予算の範囲内で必要なものを購入していると思います。

それに対して私たちの場合は、保育園・幼稚園に費用負担はなく、撮影した写真を保護者の皆さまに販売し、ご希望で購入していただいた写真代金が私たちの収入となる仕組みです。

いつも撮影と販売に要する諸経費を大きく上回る売上があれば、経営は安定するのですが、写真の販売が不調ですと、利益が出ないを通り越して、文字通り赤字になる可能性もあります。

受ける仕事を選べば良いのか

では、参加人数が多くてたくさん写真を買っていただけそうな案件はお受けして、参加人数が少ない行事や園児数が少ない小規模園など、あまり売上が見込めそうもない案件はお断りすればよいのでしょうか。

競合他社さんも、カメラマンに支払っているギャランティーの額や保護者に販売している写真価格は違っても、基本的な仕組みは同じですから、各社ともそれぞれの対策をしているはずです。

今年度から○名未満の園はお受けできなくなったとお断りの連絡をしたり、小規模園には試用中のカメラマンでよければ派遣しますといった思い切った対策をしている会社さんもあります。

また、少し意味合いが異なりますが、年間の撮影スケジュールを確認する際、運動会にはカメラマンを派遣できない場合があることをあらかじめ了承してもらっている会社さんもあるようです。

あらかじめ線引きが決めてあって、そのルールどおりに対処すればよいスタッフは、余計なことを考える必要がなくて楽なのでしょうか。私はお断りする仕事をしなければならないスタッフは、苦しくて辛いのではないかと思うのですが・・・。あるいは心が痛くないように、割り切って思考停止にしてしまうのかもしれません。

【保育園・幼稚園】と【ふぉとすてっぷ】が横並びのイメージ

上の図では、【保育園・幼稚園】と【保護者】が横並びになっていますが、私は【保育園・幼稚園】と【ふぉとすてっぷ】が横並びになって、【保護者】によい写真を提供できるように協力しあう関係をいつもイメージしています。

普通の売買関係では、通常より高い価格で販売できれば販売業者が得をして、購入者が損をし、反対に通常より安い価格で販売することになれば、購入者が得をして、販売業者が損をします。

ところが私たちの仕事の場合、保護者がたくさんの写真を購入してくださるということは、保護者に私たちのサービスが支持されているということですから、【ふぉとすてっぷ】を選んでくださった【保育園・幼稚園】にとってもよいことでしょう。反対に「写真が下手くそだ」「買いたい写真がない」などと保護者からのクレームがあれば、【ふぉとすてっぷ】はもちろんのこと【保育園・幼稚園】にとっても大問題なはずです。

保育園・幼稚園と保護者とふぉとすてっぷの関係図02

良い写真を適正価格で販売するために必要なこと

三者の関係性を考えるために、実際の事例を挙げてみます。

まず、園内で開催される「生活発表会」撮影のケース。限られたスペースの観客席に保護者がぎっしりと座っているため、カメラマンは部屋の最後方に三脚を立て、そこから撮影するしかありません。子どもたちが演じる舞台が低く、どうしても座っている保護者の頭が写り込んでしまいます。一方、保護者は、自分のお子さまが出演する演目の時は最前列に移動できるルールになっていて、皆さん、スマホを構えて一生懸命写真や動画を撮影しています。

あらかじめこのような状況になることがわかっていて、その上でカメラマンを派遣する場合、ふぉとすてっぷのスタッフは、撮影条件をあいまいにしたままカメラマンを派遣してはいけないと思うのです。もちろん、保護者が写真や動画を撮ることを禁止してもらったり、優先席をやめてもらうことは難しいでしょう。それでも少しでも良い撮影場所を確保できないか考えていただいたり、開会の挨拶などでカメラマンが写真を撮ってくれることを保護者に伝えていただくなど、何かしらできることがあると思うのです。

また、かなり昔の話ですが、私が打ち合わせをした「親子遠足」でこんなことがありました。30~40家族が参加する「親子遠足」だったと思いますが、2つの広場に分かれてゲームなどをするので、2名のカメラマンに来て欲しいと依頼されたのです。しかし前年の売上状況を見ても、行事の規模を考えても、2名のカメラマンを派遣するのはリスクが高すぎるため、何かよい方法はないか、必死で考えて相談したのでした。相談の結果、保育園の先生には、どうしても撮影して欲しいプログラムの時間が重ならないように調整していただき、カメラマンに2つの広場間を行ったり来たり走ってもらいました。

【保育園・幼稚園】と私たちが事前にいろいろと相談して可能な対策を講じた結果、保護者がたくさんの写真を買ってくだされば「よかった、よかった」となりますし、対策の甲斐なく販売が振るわなかったとしても、その教訓を来年に活かせばよいのです。大事なのは【保育園・幼稚園】と【ふぉとすてっぷ】が横並びの関係になっていることです。

良い写真を適正価格で販売するためには、このような【保育園・幼稚園】との関係作りはもちろんのこと、契約カメラマンに対して、適正なギャランティーを保証し、プロ同士の対等な関係を構築して、彼らに良い仕事をしてもらうことがとても重要です。

ふぉとすてっぷのスタッフに求めていること

先にも書きましたが、様々な撮影案件を受けるにあたり、マニュアルに基づいて型どおりの対応をするなら楽なのかもしれません。でも真剣に良い仕事をしたいと思っている人は、自分ではどうにもできない制限が多いほど辛くて苦しいはずなのです。

私がサラリーマンをやめ「ふぉとすてっぷ」を立ち上げたのも、前職でのお客さまとの関係で、自分ではどうにもできないジレンマに苦しんだからです。自分の理想の仕事をしたいなら、自分の会社を作るしかないと腹をくくったのでした。

ふぉとすてっぷのスタッフには、【保育園・幼稚園】に対しても【契約カメラマン】に対しても、言いにくいことを曖昧にしたり、やたらと下手に出たりすることに対して、かなりしつこくダメ出しをしています。

ふぉとすてっぷのスタッフはみんな「いい人」なので、【保育園・幼稚園】や【契約カメラマン】に横柄な態度をとるような人はいませんが、必要なことを曖昧にしないで、誠実に相談できるようになることが努力課題です。要は「自分の仕事への誇り」と「対人関係の勇気」の問題ですから、毎日、この課題とまっすぐ向き合いながら、自分が変わることを恐れない集団でありたいものです。

私事で恐縮ですが、昨年の夏から13キロほどの減量に成功し、今のところリバウンドの気配もありません。これからも健康に留意して、年齢と共に固くなりがちな頭を柔らかく保ちながら、ダメ出しをするときもイライラしない冷静な対応ができるようになりたいと思っています。

私自身、スタッフと共に成長していけるよう精進していく所存です。今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

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